ベンチャー企業の給料とストックオプション【お金の話】

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お金

世間ではベンチャーを目指すんだ、
という学生や社会人が増えた印象があります。

みんなベンチャー企業に憧れがありつつも、
よくわからないということも多いのではないでしょうか。

約10年ほど、ベンチャーやスタートアップと言われる界隈で生息する筆者が、
今回はお金の側面を切り取り、
ベンチャーの何がいいのか、説明いたします。

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ベンチャー企業の給料

ベンチャーの給料は低い?

結論から言うと、ベンチャーの給料は高くありません。
わかってる人からすると当然ですが、
ヒルズ族みたいなベンチャーをイメージして、
ベンチャーって儲かるのではないかと思う方もいるのではないでしょうか。

大企業から転職するひとたちもいますが、
私の感覚値で、90%以上の方が前職の給料を落として、
転職してきていると思います。

なぜ、給料が落ちるのでしょうか。
それはベンチャーは当然事業投資が優先だからです。
ベンチャーはいち早く会社を安定成長するところまで
事業促進しなければなりません。
人材に給与へ充てる余剰はなく、事業投資にお金が流れます。

またベンチャーのビジネス(商材)によっては、
長い赤字の期間を要するものもあります。
ECビジネスやメディアビジネスは
長期間の事業投資を歴て、
バイラル的にビジネスが伸びていく形態です。
そのため初期段階で固定コストをがんがんかけることができず、
従業員の給与の上がり幅は限られています。

人件費が低ければ従業員は退職してしまうので、
バランスはありますが、
従業員の給与は大企業と比べるとやはり低くなります。

なぜ給料が低くてもベンチャーで働くのか

それではなぜ給料が低いのに成り立っているのか。
それは大手企業と比べ、自分の裁量でできる範囲が広く、
自己効力感を感じやすいためです。

やりがいを感じやすいので多少給料が低くても
そんなに退職者がでず、成り立つ、というのがベンチャーです。

金銭的な報酬だけを望んでベンチャーへ
飛び込もうとするのは愚策ですので
お考え直しされたほうがいいでしょう。

ベンチャーに福利厚生なんてない

大手企業の面接ですと、「御社の福利厚生はなんですか」
というような質問もあるかと思うのですが、
ベンチャーでその質問は愚問です。

ベンチャーに福利厚生なんてありません。
正確にはあるにはあるのですが、
微々たるものです。

前述のように事業投資が優先になりますし、
みんな仕事自体に喜びを感じているひとが多いので、
ベンチャーに福利厚生は期待できません。
というよりも、福利厚生に目がいきがちな方は
そもそもベンチャー企業に向いていないのでやめましょう。

変わってきているベンチャー企業の福利厚生

先程ベンチャー企業に福利厚生なんてない、
と記載しておいて、いきなり部分的に撤回してしまうのですが、
その状況が少し変わってきています。

一部のイケてるベンチャー企業は
従業員の生産性を高める観点で、
ユニークな福利厚生を導入しているところもあります。

面白いのは料理レシピメディアの「クックパッド」さんで、
エントランスに入ると広めのキッチンがあり、
社員はいつでもそこで料理をしていいらしいのです。
さらに冷蔵庫には食材が用意されていて、
お金がかからないということでした。

こういったユニークな制度は
社員の働きやすさの向上は当然として、
採用広報としてかなり強力ですよね。

実際、生産性という観点より、
採用広報観点で福利厚生をつくっている企業も多そうです。

ベンチャー企業とストックオプション

みなさんは「ストックオプション」を聞いたことがありますか。
一部のひとたちは会話の中で「えすおー」ということもありますね。
英語で書くと、stock optionで、頭文字をとって「SO」ということです。

ストックオプションとは何か

ストックオプションとはざっくりいうと、
株を定められた金額で「買う権利」をもらうことができ、
会社が上場したときに買う権利を行使し、
取得した株を定められた金額より高く売ることで、
お金を得ることができることができるというものです。

株そのもの自体をもらえるのではなく、
「株を買う権利」をもらえるということを抑えておきましょう。

たとえば会社の時価総額が1億のときに、
ストックオプションを買える権利を1%分(1億円の1%なので100万円分です)もらえたとします。
そして会社が数年後に上場して、100億円の時価総額になったとします。

あなたは会社の株を100万で買うことができる権利をもっているので、
その権利を行使して100万円で1%分の株を購入できます。
そのまま市場で売ると1億円で売れるので、
9900万円分の利益を得ることができる、というわけです。

実際には細かいルール、制約があるので、
完全にこの通りとはなりませんが、大枠ではこのような形です。

上記には当然税金がかかってくるので、
実際に自分の手元に入ってくるお金はもっと少なくなります。
ストックオプションにも様々あり、それぞれで税金は変わるので気をつけましょう。
「税制適格ストックオプション」
「税制非適格ストックオプション」などと調べるとでてきます。
このあたりの解説は専門の会計士の先生の記事を見てください。

実際に私の知人でも、ストックオプションにより、
30歳前後で数億円の資産家になっているひともいます。

こういう話を聞くと、ベンチャーは夢があると思いますよね。

生株(なまかぶ)とストック・オプション

よく生株とストックオプションをごっちゃにしている人がいます。
ストックオプションは前述の通り、
「株を購入する権利」のことで、
実際に株をもらえることではありません。

そのため権利を行使しなければ株主ではないですし、
ストックオプションの契約に規定されていることを違反したり、
退職してしまうと、
ストックオプションの権利がなくなってしまうこともあります。

ストックオプションをもらうことの対比として、
生株(なまかぶ)を所有するということがあります。

これは自分でお金を出資して株を取得(所有)することであり、
実際に株主になるという意味です。

生株を所有できれば、
退職しても株の所有権を失うことにはなりません。

そのため、創業時にお金をだして、その後退職して、
前職が上場して、金持ちになるということもあるかもしれませんね。
(かなり稀だと思いますが実際にあるようです)

買収されるとストックオプションはどうなるか

株が金銭的な価値をもつためには、
株式市場に上場することが必要となります。

しかし最近では上場せずに、別の企業に買収されるケースも増えてきました。
ハウツーサイトを運営していた「nanapi」は、
創業者の「けんすう」さんが有名な方だったこともあり、
当該の買収についてはかなり話題になりましたね。

その後もベンチャー企業が買収されるのは珍しくなくなりました。
そこで疑問がでると思います。

「買収されると、ストックオプションはどうなるのか。」

結論から言いますと、
新株予約権が新たに交付されるか、金銭が交付されます。

中には消失してしまうケースもあるようですが、
多くの場合は発行されているストックオプションの価値に見合う対価が得られるようです。

上場しないと意味がないストックオプション

前述の通り、ストックオプションは上場するか、
買収されないと何の価値もありません。

上場できないとただの紙切れなのですが、
ストックオプションを餌に、
従業員を搾取する経営者もいるので気をつけましょう。

ちなみにマザーズの上場基準ですと、いくつかポイントがあります。
ざっくりいうと、継続的に成長していると見込まれる企業です。

マザーズは当期利益が赤字でも、
上場できますが、だいたい数年で黒字化が見込まれているところです。

要は黒字にしようと思えばできるけど、
事業投資で赤字になっているような企業といえます。

営業利益で継続的に数億円だせる企業であれば、
上場できる可能性は十分にあります。

給料に不満はあるが、
ストックオプションがもらえるのだから耐えられるという方は、
本当に自分の企業は上場できるのか
事業計画などを見せてもらうのがいいでしょう。

ストックオプションは早めに発行してもらおう

ストックオプションはもらうタイミングも大事です。
会社がある程度の規模になってしまうと、
旨みが減ってしまいます。

どういうことか説明します。

ストックオプションは発行の段階の、
「会社の価値」で金額が決まります。

第三者割当増資などで、
資金調達をしている会社であれば、
その金額をもとに、ストックオプションの価格が決まってきます。

会社の価値がまだ1億円くらいしかないときに、
1%分(100万円)のストックオプションをもっていたとします。
その会社が上場して、100億円(自分の持ち分は1億円)の価値になると、
差額の9900円分の儲けになります。

しかし50億円の価値(シリーズCくらい)になってしまってから
1%分(5000万円分)のストックオプションをもらうとなると、
上場して100億円のときに売ったとして、5000万円です。
これでも十分ストックオプションの魅力はあるのですが、
大きな差がでてきます。

ベンチャー企業の従業員は、
なるべくシード期、シリーズAくらいには
ストックオプションをもらっておきたいものです。

退職するとストックオプションはどうなるか

退職するとストックオプションはどうなるのでしょうか。
ストックオプションは基本的に退職すると権利が失効されます。

もっと正確に言うと、
失効されるストックオプションの契約書になっているケースが多いです。

ストックオプションの利益を享受したければ、
会社が上場して成長を一緒に支えていかなければなりません。

一方で、生株は一度取得すると
基本的にはずっと所有することができますので、
退職したあとに上場しても、利益を享受することができます。

余談:資本政策の失敗

前述のような生株を辞めた人間に
それなりの比率を持たれている状態は既存株主、創業者にとっては厄介です。

株は基本的に議決権を有しているので、
会社にとって特段利益をもたらさないひとにも
経営権を一部握られている状態になります。
資本政策の失敗といえます。

上場を見据えるのであれば、
最初から誰が株を所有するのか、
もしくはいつ、誰に、どこまで株を持ってもらうのか、
そういった資本政策は最初の段階で設計しておくべきでしょう。

まとめ

少し脇道にもそれながらでしたが、
ベンチャー企業の金銭的報酬についてまとめました。
私の知り合いで、実際にベンチャー企業に入社して役員までいき、
30歳前後の若さで数億円の資産を手にしているひとを何人も知っています。

一度きりの人生ならそういったところに挑戦したいと思いませんか?

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